COMPANY STRENGTH
自社の強みが分からない会社が、ネット販売の前に取り組むべきこと
ネット販売を始める前に、最初に決めるべきなのは、 どのECサービスを使うかでも、どの商品を載せるかでもありません。 自社は、誰に、どのような理由で選ばれる会社なのか。 ここが曖昧なままでは、サイトを作っても、商品を並べても、価格や知名度で比べられやすくなります。 この記事では、これまでの商売の中から、自社の強みを見つけるために何を確認すればよいのかをお伝えします。
ネット販売を始めたいけれど、 自社の何を打ち出せばよいのか分からない。
競合の商品を見ても、 品質や機能に大きな違いがあるようには見えない。
「自社の強みを明確にしましょう」と言われても、 特別な技術や特許があるわけではなく、 何を強みと呼べばよいのか分からない。
そのように感じる小規模企業は少なくありません。
自分の会社のことは、社内にいる人ほど見えにくいものです。
長く続けてきた仕事は、やがて社内の当たり前になります。 お客様のために行っている説明や確認、 商品を選ぶ際の判断、 使いやすくするための工夫も、 毎日続けていれば特別なことには見えません。
しかし、自社の強みを見つける手がかりは、これまでのお客様との関わりの中にあります。 どのようなお客様から選ばれてきたのか。 どのような相談に応えてきたのか。 販売前後に、どのような判断や工夫を重ねてきたのか。 まずは、この3つを順番に見ていきます。
01
自分の会社ほど、強みが見えにくい3つの理由
1
毎日行っている仕事が、社内の当たり前になるから
たとえば、まずはお客様の状況や要望を丁寧に確認する。 そのうえで、相手に合う商品を選び、専門知識がない方にも分かるように説明する。 販売前には商品の状態を確認し、納品後に困らないよう、事前に注意点も伝える。
こうした仕事は、長く続けるほど 「当然の対応」として扱われるようになります。
そのため、ネット販売を始めようと考えたときにも、 「何を伝えればよいか」を考える材料として挙がりにくくなります。 お客様から尋ねられたときには自然に説明できても、 自社を選ぶ理由としては意識されないままになっているのです。
でも実は、そうした一つひとつの対応こそ、お客様が安心してその会社を選ぶ理由になっています。
会社側には当たり前でも、 お客様にとっては選ぶ理由になっていることがあります。
2
商品そのものの違いだけを探してしまうから
自社の強みを考えるとき、 多くの会社は品質、素材、機能、価格、品ぞろえなどを 競合と比較します。
もちろん、商品の特徴は重要です。 ただし、お客様が会社を選ぶ理由は、 商品スペックだけとは限りません。
- どのようなこだわりを持って、日々の仕事に向き合っているか
- お客様のために、他社とは違うどのような工夫をしているか
- 商品を販売する前に、どのような確認や手間をかけているか
- 購入前の相談に、どのように応えているか
- 購入後に困ったとき、どのような対応をしているか
商品そのものに大きな違いがなくても、仕事へのこだわりや工夫、お客様への対応には、その会社ならではの違いが表れます。
3
誰にとっての強みなのかを決めずに考えるから
強みという言葉から、 業界初の技術、特許、圧倒的な安さ、 地域一番の品ぞろえなどを思い浮かべることが多いのではないでしょうか。
しかし、小規模企業に必要なのは、 誰に対しても圧倒的に優れていることではありません。
この会社なら、自分に合うものを選んでもらえそうだ
ここなら、購入後も安心できそうだ
少し高くても、この会社から買いたい
特定のお客様にそう思ってもらえる理由があれば、 それは十分に強みになり得ます。
自社の強みとは、 他社より優れている点を並べることではなく、 特定のお客様が自社を選ぶ理由を明確にすることです。
02
最初に取り組むことは、これまでのお客様との関わりをたどること
自社の強みを見つけようとして、 いきなり 競合他社の商品やサービスを見比べたりする必要はありません。
最初に見るべきなのは、 これまで実際に自社を選んできたお客様です。
なぜなら、自社の強みは、 会社が一方的に決めるものではないからです。
会社側が「品質の高さが強みだ」と考えていても、 お客様は「自分に合わない商品を正直に教えてくれたから」 選んでいるかもしれません。
会社側が「品ぞろえが強みだ」と考えていても、 お客様は「何を選べばよいか相談できたから」 購入しているかもしれません。
自社が売ったものを見るだけではなく、 お客様が自社から買った理由を見ることが大切です。
注文時のメール、問い合わせ内容、店頭での会話、 お客様から届いた感想、長く続いている取引などを振り返ると、 自社では気づかなかった選ばれる理由が見えてきます。
03
自社の強みを見つけるために確認する4つのこと
1
どのようなお客様から、繰り返し選ばれてきたか
まず、次のようなお客様がいないか確認します。
- 何度も購入しているお客様
- 長年付き合いが続いているお客様
- 他社ではなく自社へ相談してくるお客様
- 知人から紹介されて来たお客様
- 価格が高くても自社を選んだお客様
こうしたお客様が自社を選び続けている理由には、 今後ネット販売で伝えるべき価値の手がかりがあります。
商品名や売上金額だけではなく、 そのお客様が購入前に何を不安に感じ、 自社とのやり取りの中で何に安心したのかまで振り返ります。
2
お客様から、どのような相談を受けてきたか
お客様から繰り返し寄せられる相談には、 その会社が頼られてきた理由が表れます。
- どれを選べばよいか分からない
- 自分の用途でも使えるか知りたい
- 初心者でも扱えるか確認したい
- 現在使っている商品と組み合わせられるか知りたい
- 購入後に失敗しないための注意点を知りたい
こうした相談に対して、 自社はどのように答えてきたでしょうか。
お客様の状況を聞き、必要な条件を判断し、 場合によっては別の商品を提案してきたのなら、 その判断自体が価値です。
お客様は商品だけでなく、 自分では判断できないことを見極めてもらうために、 その会社を選んでいる可能性があります。
3
販売する前後に、どのような判断や手間をかけているか
仕入れた商品を、そのまま並べているように見えても、 実際には販売までにさまざまな仕事が行われています。
- 商品の状態を確認する
- 不具合がないかを調べる
- 用途に合うものを選ぶ
- 必要に応じて調整する
- 使い方を分かりやすく説明する
- 購入後に困りそうな点を事前に伝える
同じメーカーの同じ商品であっても、 誰が選び、どこまで確認し、 どのような状態で届けるかによって、 お客様が受け取る価値は変わります。
こうした仕事は社内では日常業務になりやすいため、 自社の強みとして見落とされがちです。
4
購入後、お客様にどのような価値を提供できているか
商品の特徴だけではなく、その商品やサービスによって、お客様がどのようなメリットを得ているのかを見ます。
- 作業が楽になった
- 失敗が減った
- 選ぶ不安がなくなった
- 趣味をより楽しめるようになった
- 商品を長く使えるようになった
- 困ったときに相談できる相手ができた
会社側は商品を販売したと考えていても、お客様が得ているのは商品そのものだけではありません。 安心、時間、楽しさ、失敗を避けられることまで含めて、その会社から買う価値になっています。
ネット販売で伝えるべきなのは、商品の仕様だけではなく、その商品を選ぶことで、購入後、お客様にどのような価値を提供できているかということです。
ネット販売で伝えるべきなのは、 商品の仕様だけではなく、 お客様が購入後に得られる変化です。
04
強みが見えないままネット販売を始めると、価格で比較されやすい
実店舗では、店員との会話、店内の雰囲気、 長年の信頼関係によって選ばれることがあります。
一方、ネットでは複数の会社の商品が同じ画面上に並びます。
商品名や写真、説明が似ていて、 会社ごとの違いが分からなければ、 お客様は比較しやすい条件で判断します。
- 価格
- 送料
- 納期
- 知名度
- レビュー数
- ポイント還元率
価格で比較されること自体が悪いわけではありません。
問題は、本来はほかにも選ばれる理由があるのに、 それがネット上で見える形になっていないことです。
広告を出せば、商品を知ってもらう機会は増やせます。 SNSを続ければ、会社の存在を知ってもらえる可能性もあります。
しかし、知ってもらった後に 「なぜ似た商品を扱うほかの会社ではなく、この会社から買うべきのか」 が分からなければ、購入にはつながりにくくなります。
広告やSNS、SEO、サイト制作が不要なのではありません。
まず、自社は誰にどのような価値を提供できるのかを明確にし、 その後で必要な施策を選ぶことが大切です。
05
見つけた強みを、ネット販売にどう生かすか
自社の強みが見えてきたら、 次に考えるのは、その強みをネット販売にどう生かすかです。
強みは、見つけただけで売上につながるわけではありません。 どの商品に力を入れるのか、 どのようなお客様に届けるのか、 どのような状態で販売するのかまで反映して、 初めてお客様に伝わる形になります。
たとえば、専門知識が豊富であることが強みなら、 単に「専門知識があります」と書くだけでは十分ではありません。
お客様の状況や要望を確認したうえで商品を選ぶ。 専門知識がない方にも分かるように説明する。 販売前に商品の状態を確認する。 納品後に困らないよう、事前に注意点を伝える。
こうした販売の仕方にまで反映してこそ、 専門知識がお客様にとっての価値になります。
見つけた強みは、次のような判断へ生かしていきます。
- どの商品に力を入れるか
- どのようなお客様に届けるか
- どの商品をあえて扱わないか
- どのような状態まで確認・調整して届けるか
- どのような価格で販売するか
- 商品について何を説明するか
- 購入前の不安をどのように解消するか
- どの販売方法を選ぶか
自社の強みは、会社紹介に書くための言葉ではありません。 商品の選び方や価格、説明、販売方法を決める基準として使って、 初めて商売に生かすことができます。
自社の強みを商品説明へ反映する7項目を読む →自社の強みを基準にして何に力を入れるかが決まれば、 必要な施策と、今は行わなくてよい施策も見極めやすくなります。
人員や予算に限りがある小規模企業だからこそ、 すべての施策に手を広げるのではなく、 自社の価値が最も生きる商品や販売方法へ 力を集中することが重要です。
06
CASE STORY
地方の小さな楽器店では、店の当たり前が選ばれる理由になった
私が関わった地方の小さな楽器店が扱っていた商品は、 その店でしか買えないものではありませんでした。
同じメーカーの商品は、 東京都内の専門店や、ほかのネットショップでも購入できました。
価格や品ぞろえだけで比較すれば、 地方の小さな店が有利とは言えません。
しかし、その店には長年培ってきた商品知識がありました。
- 一本ずつ商品の状態を見極める力
- 演奏しやすくするための独自の調整
- 初心者から経験者まで、その人に合うものを判断する経験
店の方にとっては、長年当たり前に行ってきた仕事です。 ところがネット上では、 その仕事が十分に見える形になっていませんでした。
そこで、誰にどのような価値を提供できる店なのかを明確にし、 商品の選び方、調整、価格、説明、販売方法へ反映しました。
その結果、競合店より価格が高くても全国から注文が入り、 繰り返し購入してくださるお客様も増えていきました。
自社の強みを新たに作ったわけではありません。
もともと店の中にあった知識、判断、手間を、 お客様にとっての価値として販売へ生かしたのです。
地方の小さな楽器店が、全国から選ばれるようになった事例を読む →07
ECサイトを作る前に、誰にどんな価値を届けるのかを決める
ネット販売を始めようとすると、 最初にECサイトの制作会社を探すことがあります。
しかし、次のことが決まっていない状態では、 制作会社も一般的な形でサイトを作るしかありません。
- どの商品に力を入れるのか
- どのようなお客様に届けるのか
- そのお客様に、どのような価値を提供するのか
- なぜほかの会社ではなく、自社から買うのか
- どのような状態で商品を届けるのか
- どのような価格で販売するのか
- 購入前後に、どのような対応を行うのか
これらが曖昧なままでは、 見た目の整ったECサイトが完成しても、 ほかの会社との違いが分かりにくいページになりやすくなります。
商品説明もメーカー情報と似た内容になり、 最終的には価格や送料など、 比較しやすい条件だけでほかの会社と比較されることになります。
ECサイトや広告、SNSが不要なのではありません。
まず、誰にどのような価値を届けるのかを決める。 そのうえで、ECサイトや広告、SNSを、 その価値をお客様に分かる形で伝えるために使います。
これからネット販売を始める会社は、 サイト制作から着手するのではなく、 まず自社の強みを明確にし、 どの商品とお客様に力を集中するのかを決めることが大切です。
CONTACT
自社の強みが分からない段階から、ご相談いただけます
特別な技術や、 他社との違いを、 最初から明確にできている必要はありません。
現在の商品やサービス、 これまでどのようなお客様と関わり、 どのような相談に応えてきたのか。
普段どのような判断や工夫を行い、 どのような状態で商品やサービスを届けてきたのか。
それらを詳しく見ていくことで、 自社では気づいていなかった価値が見えてくることがあります。
Trustbeでは、 その会社だから提供できる価値をあぶり出し、 商品、価格、説明、販売方法へ反映するところまで 一緒に取り組みます。
これからネット販売を始めたい企業様も、 すでに始めたものの思うような結果につながっていない企業様も、 現在の状況からご相談いただけます。
自社の状況について相談する
